ホンダの軽バンN-VANに、待望のEVモデル「N-VAN e:」が追加され、2024年10月10日より販売開始されることが発表され話題になっています。
この記事では、N-VAN e: のライバルとなる現在発売中の軽EVと比較し、補助金を利用した場合の価格や航続距離、バッテリー容量等の違い等、各モデルの特徴について詳しく解説しています。
画像引用元:ホンダ「N-VAN e:」公式ホームページ
目次
N-VANe:とは?
ホンダN-VAN e:は、冒頭でも触れたように、軽バンN-BOXのEVモデル。 N-VANは、ホンダの軽トールワゴンN-BOXの2代目モデルをベースとして開発された車で、徹底した低床化による高い積載能力が特徴の車です。
N-VAN e:は最新モデルだけあり、230kmという軽EVモデル中トップの航続距離がセールスポイント。そのため、充電の回数が減り手間が省けるだけでなく、渋滞やエアコンの使用頻度が高い季節でも安心して運転することが出来ます。
また、自動車の廃棄パーツを再利用した、サスティナブルなエクステリアも魅力のポイント。
充電コネクターと一体化されたフロントグリルは、廃棄バンパーを再利用しており、あえてバンパーの塗膜の破片を残すことで、キラキラした独自の質感を備え、最新のEVモデルらしさを演出しています。
なお、価格は、税込2,699,400円~2,919,400円です。
ホンダN-VAN e:と日産サクラとの比較
画像引用元:日産「サクラ」公式ホームページ
日産サクラは、2022年デビューの軽EVトールワゴン。 日産と三菱の軽自動車部門の共同会社である「NMKV」で開発された車で、日産としては、 リーフ、アリアに続く量販EVモデルです。
サクラは、同社の軽自動車「デイズ」と基本的には共通。しかしながら、プラットフォームはバッテリー搭載のためフロア形状が大幅に変更され、また、内外装も、軽自動車で初となるプロジェクター式の薄型3眼LEDを採用するなど、高級感のある仕上がりになっています。
また、全方位運転支援システムの「360°セーフティアシスト」と、高速道路での運転の負担を軽減する「プロパイロット」を搭載。日産の上級モデルと遜色ない運転支援機能を備えているところもセールスポイントです。
気になるサクラの航続距離は、WLTCモードで180km。
N-VAN e:の230kmより劣りますが、「車は近場の移動にしか使わない」というニッチなニーズにマッチし、2022~2023年度において、2年連続で国内電気自動車販売台数No.1を記録する人気モデルです。
なお、価格は、税込2,599,300円~3,082,200円です。
ホンダN-VA Ne:と三菱eKクロスEVとの比較
画像引用元:三菱「ekクロスEV」公式ホームページ
三菱eKクロスEVは、流行のクロスオーバーSUVのテイストを取り入れた軽トールワゴン。
SUVをメインにラインナップしている三菱ならではの特色を持った軽EVモデルです。
開発にあたっては、日産と三菱の軽自動車部門の共同会社である「NMKV」で行われ、先に紹介した日産サクラとプラットフォームを共用した姉妹車。
そのため、1回の充電での航続距離は、日産サクラと同じ、WLTCモードで180kmとなっています。
三菱と言えば、2006に発表された軽EVのパイオニアとも言える「i-MiEV」が有名ですが、2018年4月の改良により小型車登録へ変更。そのため三菱としては、約4年ぶりとなる軽EVへの参入となります。
ekクロスEVに搭載の駆動用バッテリーは、i-MiEVの16kWhから20kWhへと出力が大幅に向上。最大トルクはeKクロスのターボ搭載モデル「T」の約2倍、i-MiEVの約1.2倍となる195N・mを発生し、EVならではの力強い加速性能が魅力です。
また、駆動用バッテリーの保証も、i-MiEVの5年10万kmから8年16万Kmへと拡大。さらには容量が66%を下回った場合でも、修理と交換が無償となる容量保証も適用されるなど、初めてEVモデルをマイカーとして購入するユーザーにとっても安心出来る車です。
なお、価格は、税込2,599,300円~3,082,200円です。
ホンダN-VAN e:と三菱ミニキャブEV商用車との比較
画像引用元:三菱「ミニキャブEV」公式ホームページ
三菱ミニキャブは、初代モデルのデビューが1966年という軽バン。
その長い歴史の中で、2011年に、i-MiEVの技術採用による軽バンクラス唯一のEVモデル「ミニキャブ・ミーブ」がデビューしています。
そして、現行のミニキャブEVは2023年にデビュー。先代のミニキャブ・ミーブのビッグマイナーチェンジ版で、車名もミニキャブEVと分かりやすい名前へ変更されました。
ビッグマイナーチェンジにより、搭載されるEVシステムも大幅に進化。バッテリー容量も16kWhから20kWhへとアップされ、航続距離も先代のWLTCモードで150kmから180kmへと向上しています。
ミニキャブEVは、2シーターと4シーターをラインナップ。車としては、先代のミニキャブ・ミーブから大幅に進化しているものの、2シーターモデルは価格が据え置きとされ、4シーターモデルのみ、33,000円高(10%消費税込)に抑えられるなど、三菱の軽EV普及へ向けた本気度が伺えるモデルとなっています。
なお、価格は、税込2,431,000円~2,486,000円です。
ホンダN-VAN e:と日産クリッパーEV商用車との比較
画像引用元:日産「クリッパーEV」公式ホームページ
日産クリッパーEVは、2024年デビューの日産初の軽バンEV。「クリッパー」という車名は、1966年に日産へ吸収合併されたプリンスがラインナップしていた商用車の名前を用いています。
クリッパーEVは、三菱ミニキャブEVをベースにしたモデル。三菱からのOEM供給となっているため、外観や内装の違いは、フロントのエンブレムやステアリングのホーンパッド部のCIマークが、日産のモノに変わっている程度です。
グレード展開としては、2シーター、4シーターを設定。さらには、2シーターをベースにスライドドアガラスとリアクオーターガラスを塞いだ「ルートバン」もラインナップされています。
当然ながら、搭載されるEVシステムも三菱ミニキャブと同じのため、航続距離はWLTCモードで180kmと同じ数値をマークしています。
ただし、ミニキャブEVでは標準装備の給電ケーブルが、クリッパーEVではオプション設定となっており、また、価格も、税込で286万5,500円からと、ミニキャブEVの税込243万1,000円より、約40万円ほど高くなっています。
なお、価格は、税込286万5,500円~292万500円です。
次に、N-VAN e:と、ここで紹介している各車について、各補助金を利用した場合の購入価格について紹介します。
N-VAN e:と各車を個人で補助金(一般使用補助金・CEV補助金)
利用により購入した場合
メーカー | 車名 | グレード | 価格(消費税込み) | 補助金 | 補助金利用による価格 |
ホンダ | N-VAN:e | e: FUN | 2,919,400円 | 55万円 | 2,369,400円 |
日産 | サクラ | G | 3,082,200円 | 55万円 | 2,532,200円 |
三菱 | eKクロスEV | P | 3,131,700円 | 55万円 | 2,581,700円 |
三菱 | ミニキャブEV | CD 20.0kWh (4シーター) | 2,486,000円 | 55万円 | 1,936,000円 |
日産 | クリッパーEV | 4シーター | 2,920,500円 | 55万円 | 2,370,500円 |
N-VAN e:と各車を個人で補助金(事業者用補助金・LEVO補助金)
利用により購入した場合
メーカー | 車名 | グレード | 価格(消費税込み) | 補助金 | 補助金利用による価格 |
ホンダ | N-VAN:e | e: FUN | 2,919,400円 | 約100万円 | 1,919,400円 |
日産 | サクラ | G | 3,082,200円 | 約100万円 | 2,532,200円 |
三菱 | eKクロスEV | P | 3,131,700円 | 約100万円 | 2,581,700円 |
三菱 | ミニキャブEV | CD 20.0kWh (4シーター) | 2,486,000円 | 約100万円 | 1,486,000円 |
日産 | クリッパーEV | 4シーター | 2,920,500円 | 約100万円 | 1,920,500円 |
上記のとおり、個人ユースでは、補助金を利用しても200万円を切るのは厳しいですが、法人ユースの場合は約100万円の補助金利用で200万を切る価格設定となっています。
そのため、航続距離や燃費を考慮すると単純比較は出来ませんが、ガソリンモデルと同等の値段で購入可能です。
まとめ
今回は、新たに登場した新型軽バンEVの「N-VAN e:」を現在リリースされている他メーカーの軽EVと比較をしていきました。
N-VAN e:は、価格はライバルと同等ながら、最新モデルだけあり、クラストップの巡行距離と実用性の高さが魅力のモデル。
しかし、ライバルの軽EVと比較してみると、単純に航続距離だけで比較できない魅力やポイントが各車にあることが分かります。
軽EVは今や注目のジャンル。今回の記事を参考に、ぜひ、あなたにピッタリな車を見つけてくださいね。