今回は「日ごろの気になるアレコレ」を検証するシリーズ、「燃費検証」を行ったのでご紹介します!
燃費向上や環境への優しさがメリットとしてありますが、『アイドリングストップの有無で燃費は実際に変わるのか?』『意味あるの?!』というスタッフの疑問を解決するために検証しました。
結果はかなり驚きました!ぜひ最後までお付き合いくださいね♪
◆検証に使用した車◆
HONDA NONE original(FF)
メーカー小売希望価格¥1,662,100~
全長 3,395 mm x 全幅 1,475 mm x 全高 1,545 mm
カタログに表記されているWLTCモードでの燃費は23.0km/Lの車種です。
アイドリングストップとは??
ブレーキを踏んで車が完全に停止した際、エンジンが自動でストップする機能です。
近年誰もが目にしているアイドリングストップ機能付き車両ですが、今現在所有している車両がアイドリングストップ機能が装備された車両である方も非常に多いのではないでしょうか。
そうではない方でも、信号待ちなどで停止した際にエンジンが止まり再発進する際にエンジンがかかる音を出す車を見かけたことがあるかと思います。
アイドリングストップすることによるメリット
アイドリングストップすることによりさまざまなメリットがありますが、一番のメリットは「燃費が良くなり燃料費の節約につながること」です。
そして燃料費の節約以外にも
●アイドリング中の排気ガスの排出量が抑えられるので、環境に優しい。
●アイドリングストップ中の車内は静か。
などの利点があります。
今回の検証ルール
各車両メーカーさんも燃費向上のメリットをうたわれていますが、『本当に燃費向上に効果があるのか?』という疑問を、実際に検証していきたいと思います。
アイドリングストップ機能は標準装備されている機能ではありますが、装備されている車両には必ずアイドリングストップ機能のON/OFFスイッチも装備されています。
そこで今回は、アイドリングストップONの時とOFFの時の
①走行距離50kmで検証
②メーター燃費比較
③ガソリン満タン法の計算を用いた実燃費比較
を実施し、実際どれぐらいの差があるのかを検証していきます。
出発前に…まずガソリンを満タンにします。
そして車両に記録された平均燃費などの情報をリセットします。
これでスタートの準備は完了!
ちなみに今回検証で使用したスタッフの愛車のN-ONEの場合、「ECON(イーコン)」ボタンというものがあります。こちらがアイドリングストップON/OFF切り替えのスイッチとなっています。
こちらのイーコンボタンをONにすると、N-ONEの場合はアイドリングストップだけではなく、エンジンやエアコンといった車全体の動きを燃費優先で自動制御してくれるモードに切り替わります。
そのため、OFFにした場合は力強く加速してくれるようになります。
ちなみに今回は①走行距離50㎞ほど走りますが、高速道路を走行してしまうと燃費が非常に良い結果が出てしまう可能性があるので、下道を走行して検証を行ないました。
そして検証した日は涼しくエアコンを使用せずとも快適に過ごせる日でしたが、エアコンも使用した状態で走行しました。
又、燃費を意識したブレーキのかけ方などは一切せず、アイドリングストップのON/OFFだけで燃費を検証します。
検証スタート!
行きはアイドリングストップONにした状態からスタート!
アイドリングストップをONにして走行すると、赤信号などで車両が完全に停止するとエンジンが止まります。
N-ONEの場合はオートブレーキホールドという機能が装備されているので、車両が完全に停止したのちブレーキペダルから足を離してしまってもブレーキがかかった状態となるので、アイドリングストップもされています。
アイドリングストップ中は、メーターに「アイドリングストップしました」という表示もされます。
アクセルペダルを踏むとエンジンが再始動しすぐに発進します。
オートブレーキホールド機能がない車両の場合、ブレーキペダルから足を離すだけでエンジン再始動する車両があります。
昔の車両にはついていなかった機能なので、初めてアイドリングストップ機能付き車両に乗られた方はこうした操作に慣れなかったり、違和感を感じるのでアイドリングストップ機能をOFFにして乗られている方も多くいらっしゃいます。
アイドリングストップのデメリット
検証スタートしてしばらくすると、渋滞にはまってしまいました…。
アイドリングストップのデメリットはいくつかありますが、まず1つめに「アイドリングストップの時間が短いと、燃費向上にはつながらない」ことがあります。
今回のように渋滞にはまり、進んでは止まってまた進んで…を短いスパンで繰り返していると、燃費向上という点では逆効果になります。
なぜかというと、アイドリングストップの状態からエンジンを動かすのに消費する燃料の量は、5秒間エンジンをかけたまま停止する際に消費する燃料の量と同じだからだそうです。
つまり、アイドリングストップによる停止時間が5秒未満の場合、アイドリングストップによって抑えられた燃料量よりも再始動時に消費する燃料量のほうが上回ってしまい、結果的に燃費が悪くなってしまうようです。
そしてデメリット2つめ…それはバッテリーの価格です。
アイドリングストップ機能付き車両には専用バッテリーの搭載が必要です。アイドリングストップ機能がないバッテリーは数千円で購入できますが、アイドリングストップ車に対応したバッテリーは数万円します。
アイドリングストップ機能が普及してきている近年では、ベースグレードからアイドリングストップ機能が標準装備されている車種も多くあります。
しかしアイドリングストップ機能が装備されていない車両から、アイドリングストップ機能付き車両に乗り換えをした場合、バッテリーの金額のギャップに驚く方が多いです。
しかし、部品の消耗やバッテリーの価格が高いなどの全体のコストパフォーマンスを考慮してアイドリングストップ機能を搭載しなくても低燃費を実現している車両も登場していたり、アイドリングストップ機能を苦手とするユーザーも一定数いるということから、アイドリングストップ非搭載車両も増えてきているそうです。
アイドリングストップのデメリット3つめは、アイドリングストップ中エアコンが弱まること。
アイドリングストップ中はエンジンだけが停止した状態なので、カーナビやETC、エアコンなどの電子装備は動いたままです。
エアコンはエンジンが回る力も使用して動いていますので、アイドリングストップすることによりエアコンの勢力が落ちます。
そしてアイドリングストップ状態が解除されるエンジン始動時には、エアコンが一瞬止まったりもします。暑い夏などは「早く車内を涼しくしたいのにアイドリングストップするから車内が涼しくならない!」などということが起こる可能性もあります。
そのためにアイドリングストップON/OFFスイッチがあるのかもしれません。
続いて、アイドリングストップ機能OFFで走行
アイドリングストップ機能ONの状態で走行した時はアイドリングストップの回数も多く、渋滞にもはまりましたが5秒以上の停止が多かったように感じましたので、アイドリングストップ機能をOFFにした場合より燃費が良くなっていることが期待できそうです。
帰りはアイドリングストップ機能をOFFにして走行をスタート!
アイドリングストップしなくなった上に、アクセルも少し軽くなり走りも良くなったように感じました。
そしてN-ONEの場合、アイドリングストップON/OFFによる車内の静粛性にさほど差はないように感じました。
結果発表!!
★アイドリングストップなしで走行した場合
メーター燃費…19.8km/L
実燃費…16.5km/L
★アイドリングストップありで走行した場合
メーター燃費…22.9km/L
実燃費…24.3km/L
という結果になりました!!
アイドリングストップは燃費向上の効果あり!という結果が出ました。
そしてアイドリングストップありの実燃費ですが、カタログに記載されている数値23.0km/Lを上回る結果となったことに驚きました。
今回は50km走行して検証しましたが、もっと長距離を走行した場合はさらに数値の差が開いたりするのかな?と気になるところですね。
時には渋滞にはまったり、お住まいの地域の信号の間隔などによってもアイドリングストップの効果は変わってくるかと思いますが、アイドリングストップを使用することにより燃費向上にしっかりと貢献してくれることがわかりました。