今回はタイヤサイズの見方について、サコダ車輛の整備士にレクチャーしていただきました!
身近な部品なのに、意外と知らないタイヤの基礎知識をはじめ、
これから来る冬に備えてスタッドレスタイヤの購入や、カスタマイズのためにインチアップやインチダウンを検討されている方もいらっしゃるかと思います。
今回の内容をぜひ参考にして、タイヤ選びをしてみてくださいね!
タイヤの歴史
目次
タイヤはいつできた?
世界で初めて「自動車」が登場したのは、1769年。今から約270年前です。
フランスの軍事技術者のニコラ・ジョセフ・キュニョーが蒸気で走る自動車を発明しました。
この蒸気自動車が自動車の始まりと言われています。
そして初めて「タイヤ」と呼ばれるものができたのは…実は紀元前3000年!
今から約5000年前にはタイヤが存在していたと言われています!!
所説ありますが、最古の陸上運送手段はソリ。
ソリの下に車輪を付けて荷物を運搬したのが紀元前3000年の話なんだそうです。
そして鉄製のタイヤが出現したのは、今から約2000年前のローマ時代。
木の車輪に鉄製の輪を焼きはめて使用していたので、鉄製の車輪だけでも2000年の歴史があります。
ではいつからゴム製のタイヤが使用されているのか?
実は、ゴム製のタイヤが登場したのは約160年前からと、意外にも歴史が浅いのです。
しかも最初は、車輪に大きな輪ゴムのようなものをはめただけのもの。
今現在私たちが自動車で使用しているような空気入りタイヤができたのは、約135年前からなのです。
しかも最初は自転車で使用されていて、今のようなゴムではなく革製のものが始まりだったそうです。
現在のようなタイヤはごくごく最近から使用されていて、歴史は非常に浅いのです。
タイヤのサイズ
今回説明のために用意した車両は、スタッフの愛車のN-ONE。
N-ONEの場合はタイヤサイズが『155/65R14 75S』というサイズのものを履いています。
軽自動車の場合、こちらと同じサイズを装着している車両が多いのではないでしょうか。
タイヤのサイズは、タイヤの側面に記載されています。
そしてこの『155/65R14 75S』という数字からは、以下のようなことがわかります。
155・・・タイヤの接地面の幅(mm)
65・・・タイヤの側面の太さ(扁平率)
R・・・ラジアルタイヤ
14・・・ホイールのサイズ(インチ)
75S・・・ロードインデックスとスピードレンジ
●最初の155は、路面に接地している部分の幅が155mmあることを表しています。
●次の65は、タイヤの幅に対する高さの比率を表しています。
今回例に出しているタイヤの場合、155mm幅に対して65%の高さ、という形になります。
●Rはラジアルタイヤであることを表しています。
【ラジアルタイヤとは??】
タイヤの表面を覆っているゴムの内部には、ポリエステルやスチールなどで作られている「カーカス」というタイヤの骨組みがあります。
このカーカスを地面に対して放射線状に配置しているタイヤが、ラジアル構造と呼ばれるタイヤの「ラジアルタイヤ」です。
乗用車に一般的に使用されているタイヤです。
一方、カーカスが地面に対して斜めに配置されているタイヤは「バイアスタイヤ」と呼びます。Rなどの表記がない場合はバイアスタイヤであることが多いです。
●14はホイールのサイズをインチで表しています。
軽自動車のグレードによっては15インチのホイールを装備した車両も増えてきているので、その場合は15と表記されています。
●75Sの75はロードインデックス、Sはスピードレンジを表しています。
【ロードインデックスとは??】
タイヤがどれだけの重さに耐えられるかを数値で表していて、この数値は「荷重指数」といいます。N-ONEの75の場合は387kgの負荷能力となっていて、荷重数値が上がると負荷能力も上がります。
【スピードレンジとは??】
タイヤが走行できる最大速度を表していて、Sの場合は180km/hまで可能です。
ロードインデックスとスピードレンジはタイヤカタログ等に詳しい記載がありますので、カタログ等を見る機会がありましたらぜひご確認下さい。
そしてロードインデックスとは別の表記の仕方をされているものもあります。
それはバン用タイヤ。タイヤに”4PR”や”6PR”などの記載がある場合はトラックやバンなど荷物を載せて走る車によく使用されているタイヤとなります。
”PR”は「プライレーティング」の略で、4や6などの数字はタイヤの強度を示す「耐荷重強度指数」です。
4PRの場合、「4プライ」と読んだりします。
こちらも数字が大きくなると負荷能力が上がります。
タイヤのサイズを変えた場合
メーカー指定のタイヤサイズから変更した場合に起こる、メリット・デメリットをご紹介します。
幅が大きいとどうなる?
タイヤサイズの”155”の部分が大きくなるとどうなるかですが…
路面との接地面積が広くなるので、グリップ力は上がります。
グリップ力が高いほど急なブレーキでもしっかりと止まり、制動距離もより短くなります。
逆を返すと、抵抗力が増すということになるので、惰性での制動距離が伸びず燃費低下に繋がります。
4ナンバーの軽貨物車の場合、145/80R12などというサイズを装着していることがあります。
乗用車に比べて細いのですが、駆動力をしっかりと路面に伝えることができる太さと扁平率となっています。
その車両に合った幅のタイヤを装着することが大事です。
扁平率が高いor低いとどうなる?
簡単に言うと、タイヤのヨレ方が変わってきます。
扁平率が高い場合、高さが出るのでその分大きくヨレますが、厚みがあるので乗り心地は良くなります。
逆に扁平率が低い場合、運動性能やハンドリングは良くなりますが、乗り心地は悪く足廻りが硬くなった印象を受けるかと思います。
動画では、スポンジを使用してわかりやすく説明しています。動画もぜひご覧下さいね♪
インチアップした場合
N-ONEをインチアップ(ホイールのサイズを大きく)する場合、どんなサイズが良いかですが…
ただインチを上げるだけでは、スピードメーターが狂ってしまったり、ハンドリングが大きく変わって運転操作がしづらくなったりします。
そのようなことを防ぐために、ノーマルのタイヤサイズの”外周の大きさ”にあわせたタイヤサイズを選ぶ必要があります。
例えば14インチから15インチに変更した場合、165/55R15に変更するのが無難かと思われます。
カッコよく魅せることにより、操作性や燃費が犠牲になることもありますので、
タイヤサイズの変更することによるメリット・デメリットは販売店等へご相談下さい。
視聴者からの質問!
ここからは、サコチャンネルの整備士チャンネルをご覧の方から頂いたご質問に、プロ整備士がお答えしていきます!
タイヤのサイズは全部で何種類??
答え:ざっと見ただけですが、1000ぐらいの組み合わせがある…??
とのことでした。
小さな軽自動車から普通乗用車、トラックなど様々な大きさや種類の車両がありますので、車種に合わせた数だけあり、数え切れないほどのタイヤサイズがあります。
標準14インチに13インチ(インチダウン)はOK?
「今乗っている軽自動車の標準タイヤサイズが14インチです。以前に乗っていた車のスタッドレスタイヤセットが13インチなのですが、装着しても問題ないですか?」
とのご質問を頂きました。
答え:ブレーキをご確認下さい!!
ホイールのサイズを下げることをインチダウンと言いますが、インチダウンすることにも弊害が出ます。
その1つとして、ブレーキシステムへの干渉です。
車両が14インチのホイールに合わせて設計されたブレーキディスクやキャリパーの場合、13インチのホイールを装着するとホイールとブレーキシステムがぶつかってしまい装着できないことがあります。
以前はカタログの諸元にブレーキの情報が記載されていましたが、近年は省略されていることが多いようです。
インチダウンにつきましても、車両や装着するホイールの情報を要確認下さい。
サコダ車輛へ現物をお持ち込み頂いてご相談も可能ですので、同じようなケースで装着をお考えの方はぜひご相談下さい。
まとめ
各車両メーカーさんがしっかりと計算してベストなタイヤサイズを設定していますので、サイズ変更することによりメリットもあればデメリットも必ず出てきます。
そしてサイズ変更したタイヤやホイールを装着することが難しい場合もありますので、
タイヤサイズやホイールのインチ変更ご希望の場合はぜひプロにご相談下さい!
サコダ車輛でもご相談受け付けておりますので、カスタマイズご希望の方はお気軽にご相談下さい!