『軽自動車だから「軽油」を注いだらいいんだよね…?』
と思ったことのある方いらっしゃいませんか?
それは大間違い!!!!
ガソリンスタンドに並ぶ「軽油」「ハイオク」「レギュラーガソリン」ですが、
それぞれどんな車種に入れれば大丈夫なのか、そして軽自動車に万が一軽油を注いでしまった場合はどうする?!という内容をまとめています!
意外と知らないガソリンの豆知識も解説しますので、ぜひ最後までお読み下さい♪
燃料の種類と違い
どのガソリンスタンドでも給油ノズルの色は統一されているので、給油の際に
赤色→レギュラーガソリン
緑色→軽油
黄色→ハイオク(”プレミアム”などと表記されている場合もあります)
となっているのを見たことがあるかと思います。
そしてこの3種類の燃料はどういった違いがあるのかを知らずに「レギュラーって言われたから~」と深く考えずに給油されている方も多いと思います。
まずは燃料それぞれの違いや特徴をご説明します。
エンジンによって違う
軽自動車や乗用車にはガソリン(レギュラー又はハイオク)を使用する車両が多いのですが、その多くの車両は「ガソリンエンジン」と呼ばれるエンジンを使用している為です。
そして「ディーゼルエンジン」という名称を聞いたことがある方も多いと思いますが、このディーゼルエンジンを載せた車両には「軽油」を使用します。
ディーゼルエンジンを搭載した車両は、バスやトラック、重機などが多く、大勢の人や重たいものを運ぶ車両に多く使用されているエンジンです。
レギュラーとハイオクの違い
基本的には同じガソリンなのですが、この2種類の違いは「オクタン価」です。
【オクタン価とは…?】
異常燃焼やそれによる振動(ノッキング)の起こりにくさを示しています。
オクタン価の数値が高いほど異常燃焼や振動が起こりにくくなるのですが、オクタン価が高い燃料ほど、燃料内に入っている添加物の割合が高いことも示しています。
JIS規格では、オクタン価が89以上のガソリンをレギュラー、96以上をハイオクとしています。
日本で生産されている乗用車の多くがレギュラーガソリン仕様になっていますが、
ハイオクは高い圧縮比でも異常燃焼によるノッキングを起こしにくいので、パワーが必要なスポーツカーや高排気量車などで使用を指定されていることが多いです。
ハイオクはエンジンの中の汚れを取ってくれる添加剤も入っているのも特徴です。
そして皆様が身近で一番わかりやすい違いは、価格。
ハイオクの方が1Lあたり10円ほど高く販売されているのは、添加物の量や製造するためのコストの違い等があるためです。
軽油の特徴
ハイオクやレギュラーガソリンに比べて非常にリーズナブルに給油できる軽油ですが、価格が安いのにはいくつか理由があります。
ガソリンと軽油は同じ「原油」から抽出されるのですが、ガソリンを抽出する課程で取り出すことができるため低価格で製造できるのです。
そしてガソリンと軽油の違いの1つに、燃えやすさがあります。
ガソリンは非常に引火性が高く、スパークプラグから出る火花により点火して爆発し、エンジンを動かしています。
軽油の場合は着火点が低く、圧縮によって生まれる熱で自然発火しエンジンを動かしています。
つまり
ガソリン→引火しやすく発火しにくい
軽油→引火しにくく発火しやすい
という対局の特性を持っているということです。
「”軽”自動車」だから「”軽”油」…ではない!!
セルフ式のガソリンスタンドが普及したことにより、軽自動車に誤って軽油を注いでしまうケースが多発しています。
同じ”軽”という文字が入るので間違えやすいですが…
※軽自動車は、ガソリン車しかありません!絶対に軽油を入れないで下さい!!※
誤ってガソリン車に軽油を入れてしまったら…
どんなことが起こる?
サコダ車輛でも、軽自動車に軽油を給油してしまった!!という車両が整備に入ることがありますが…
誤って入れてしまって走行した車両は、エンジンが全くかからなくなります。
給油してからエンジンがかからなくなった…ということで給油口を開けてみると、軽油のニオイがする、ということが過去に何度かありました。
間違えたことに気づいた場合の対処法!
「間違えてガソリン車に軽油をいれてしまった場合はどうすれば良いですか?」
とサコダ車輛整備士さんに質問してみました!
答え:入れてすぐ気が付いた場合は、できるだけエンジンをかけないで下さい!!
まずは車両を安全な場所に移動させて頂き、レッカー車を呼んで下さい。
自走で整備工場などに向かわないようお願いします。途中で走行できなくなる可能性があります。
そしてエンジンをかけない方が良い理由が他にもあります。
エンジンをかけなければ燃料タンク内だけに給油が入っている状態なので、燃料タンクの中身だけ抜きかえれば済むからです。
万が一、動かなくなってしまうほどの時間エンジンをかけてしまった場合には、燃料タンクからエンジンまでの配管の中も軽油が回ってしまっているので、タンク以外に配管も清掃する必要が出てきてしまいます。
そのため非常に高額で手間のかかる整備となってしまうのです。
燃料タンクを見てみました
車両をジャッキアップして、燃料タンクがどうなっているのかもチェックしてみました。
今回説明のために用意したミライースの場合、車両後方に丸く大きい樹脂製のタンクが取り付けられているのが確認できました。
ほとんどの車両が荷室や後部座席の下あたりに、下から固定されてタンクが設置されていることが多いです。
近年は樹脂製のタンクが使用されていることが多くなりましたが、昔は金属製のものが主流でした。環境保護の観点により樹脂製に変更されているようです。
ガソリンは、私たちがいつも見ている給油口から太いホースやパイプを通って、燃料タンクに入りガソリンが溜められています。
そして燃料タンクの中にはエンジンへガソリンを送り込む燃料ポンプが設置されているので、ポンプによりガソリンが汲み上げられて細い配管を通ってエンジンへ送られます。
油種を間違えて給油してエンジンをかけてしまった場合、このエンジンへ繋がる長~い配管内も清掃する必要があるので、手間や費用がかかってしまう理由がよくわかります。
エンジンをかけなければタンク内だけの整備で済むので、油種を間違えて給油したことにすぐ気が付いた場合はエンジンをかけないほうが良いのはこのためです。
そしてできるだけイグニッションもオンにしないで車両を移動していただいた方が良いかと思います。
ディーゼル車にガソリンを入れてしまったら?
先にもお伝えしたように、ガソリンと軽油では特性が全く違うので、ガソリン車とディーゼル車では構造が異なります。
ディーゼル車にガソリンを入れてしまった場合、燃料を送るポンプが故障してしまう可能性が高く、エンジンも燃料を噴射する装置が破損してしまう危険があるため、ガソリン車よりもさらに高額な修理が必要となってしまいます。
実はニオイが違う!
給油口を開けた瞬間、ガソリンタンク内の空気がプシュッという音を出して外に出ることがあるかと思いますが、そのニオイを嗅いで確認するという方法もあります。
どんなニオイかという表現をするのは非常に難しいのですが…ガソリンと軽油ではニオイが全く違うようなので、確認できる機会があればぜひ嗅いで比べてみてください。
まとめ
今回は『ガソリン車に軽油を入れてしまったらどうなる!?』というテーマでお送りしましたが、本当にそんなことあるの?とお思いの方もいらっしゃるかと思います。
しかしサコダ車輛では実際に入れ間違えて整備をご依頼頂いたこともある内容ですので、うっかり間違えたりしないよう気を付けて給油をして下さい。
とくにディーゼル車からガソリン車へ、ガソリン車からディーゼル車へ乗りかえた場合は注意が必要です!
そして軽自動車だから軽油…は間違いであることもおわかりいただけたかと思います。
まだまだ他に注意が必要な場合もあります。
それはハイオク指定の車両にレギュラーガソリンを入れること。
車両に不具合をきたす可能性がありおススメしません。
今お乗りの車両がレギュラー車なのかハイオク車なのかも、ぜひご確認下さい!
燃料を注ぎ間違えただけなのにこんなに高額な修理に…!となってしまう可能性があるので、給油する際は十分に確認をして、愛車に指定されている燃料を給油するようにしましょう!!
燃料を入れ間違えてしまった場合以外にも、お困りごとがございましたらぜひサコダ車輛までご連絡下さい!