スズキが誇るコンパクトな軽自動車「アルト(ALTO)」。40年以上の歴史がある、人気の軽自動車です。
そのアルトが2021年12月にフルモデルチェンジを行い、新型になりました。モデルチェンジ前の旧型アルトとどこが変わったのか、何が新たに追加されたのか気になるところです。
そこでこの記事では、新型アルトはフルモデルチェンジでどうなったのか、新型アルトは旧型アルトに比べて何が変わったのか、その特徴を紹介していきます。
※内容は、2022年2月時点の情報に基づいています。
目次
スズキ・アルトとは?
アルトはスズキを代表する軽自動車です。1979年の発売以来、40年以上の長いあいだ人気があります。
2000年代以降、軽自動車は「トールワゴン」「ハイトワゴン」と呼ばれる車高の高い箱形タイプの車種が人気の中心です。その中でアルトは、コンパクトなスタイルの軽自動車として、根強く支持されています。2020年度のアルトの販売台数は、6.1万台でした。
車名は、イタリア語で「秀でている」「優れている」という意味の「alto」という単語に由来しています。
そんなアルトは、2021年12月にフルモデルチェンジを実施。九代目のモデルになりました。
新型アルトのグレードと価格帯など
新型アルトのグレードを見ていきましょう。
アルトのグレードは、以下のとおりです。
グレード | エンジン | 駆動 方式 | 燃費 (WLTC) | 価格(税込) |
HYBRID X | ハイブリッド | FF | 27.7km/L | 1,259,500円 |
HYBRID X | ハイブリッド | フルタイム 4WD | 25.7km/L | 1,379,400円 |
HYBRID X 全方位モニター付ディスプレイオーディオ装着車 | ハイブリッド | FF | 27.7km/L | 1,371,700円 |
HYBRID X 全方位モニター付ディスプレイオーディオ装着車 | ハイブリッド | フルタイム 4WD | 25.7km/L | 1,491,600円 |
HYBRID X 全方位モニター用カメラパッケージ装着車 | ハイブリッド | FF | 27.7km/L | 1,338,700円 |
HYBRID X 全方位モニター用カメラパッケージ装着車 | ハイブリッド | フルタイム 4WD | 25.7km/L | 1,458,600円 |
HYBRID S | ハイブリッド | FF | 27.7km/L | 1,097,800円 |
HYBRID S | ハイブリッド | フルタイム 4WD | 25.7km/L | 1,228,700円 |
HYBRID S LEDヘッドランプ装着車 | ハイブリッド | FF | 27.7km/L | 1,155,000円 |
HYBRID S LEDヘッドランプ装着車 | ハイブリッド | フルタイム 4WD | 25.7km/L | 1,285,900円 |
L | ガソリン | FF | 25.2km/L | 998,800円 |
L | ガソリン | フルタイム 4WD | 23.5km/L | 1,129,700円 |
L アップグレードパッケージ装着車 | ガソリン | FF | 25.2km/L | 1,130,800円 |
L アップグレードパッケージ装着車 | ガソリン | フルタイム 4WD | 23.5km/L | 1,261,700円 |
A | ガソリン | FF | 25.2km/L | 943,800円 |
A | ガソリン | フルタイム 4WD | 23.5km/L | 1,075,800円 |
トランスミッションはすべてCVTで、各グレードにはFF(前輪駆動)とフルタイム4WD(四輪駆動)の2種類の駆動方式が設定されています。エンジンの排気量はハイブリッド車モデル(ハイブリッドS、ハイブリッドX)が657cc、ガソリン車モデルでは658cc。乗車定員は、いずれも4人です。
価格帯(消費税込)は、最安価格がAグレードのFFモデルで943,800円。いっぽう最高価格は、ハイブリッドXの全方位モニター付ディスプレイオーディオ装着車のフルタイム4WDモデルで1,491,600円になります。
新型アルトの旧型アルトとの違い・変更点
フルモデルチェンジにより九代目となったアルト(以下、新型アルト)。
八代目のアルト(以下、旧型アルト)とはどこが違うのか、変更点はどこなのかをまとめると、おもに以下のような点があります。
- 外観デザインが丸みを帯びたものに
- ボディーカラーに新色を追加
- 室内空間が拡大
- 一部グレードでマイルドハイブリッドを採用!燃費も向上
- 「スズキ セーフティ サポート」を全グレードで標準装備
- 派生車種「ワークス」「バン」が未設定
それぞれ詳しく紹介していきましょう。
外観デザインが丸みを帯びたものに
一番わかりやすい変化が、外観(エクステリア)のデザインです。
新型の基本的なデザインは旧型を踏襲したものになっていますが、全体的に旧型より丸みを帯びたものになりました。
これにより、かわいらしさや親しみやすさといった印象が強くなっています。
また新型では、Aピラーの角度が旧型よりも大きくなりました。そのためフロントガラスが大きくなり、運転時の視認性が向上しています。
ボディーカラーに新色を追加
外観デザインと同じくわかりやすい変化として、ボディーカラーが挙げられます。
ボディカラーは、「ダスクブルーメタリック」「ソフトベージュメタリック」という新色を加えたモノトーンを8色。さらにホワイトルーフの2トーン車が4色になりました。合計で12色になっています。
なおホワイト2トーンルーフは、グレードによっては選択できません。
【新型アルトのボディーカラー】
●モノトーン |
ダスクブルーメタリック フェニックスレッドパール アーバンブラウンパールメタリック ソフトベージュメタリック ピュアホワイトパール ブルーイッシュブラックパール3 シルキーシルバーメタリック ホワイト |
●ホワイト2トーンルーフ (HYBRID X 、HYBRID S、L アップグレードパッケージ装着車のみ) |
ダスクブルーメタリック×ホワイト フェニックスレッドパール×ホワイト アーバンブラウンパールメタリック×ホワイト ソフトベージュメタリック×ホワイト |
室内空間が拡大
新型アルトでは、室内空間が広くなりました。旧型アルトに比べて室内幅が25mm、室内高が45mm拡大しています。
そのため旧型よりも圧迫感が軽減され、居住性が向上しました。
なお内装もオシャレなものになり、シートはデニム調とブラウンの背面を組み合わせたものになっています。
【新型アルトと旧型アルトのボディーサイズ比較】
新型(九代目) | 旧型(八代目) | |
全長×全幅×全高 | 3,395mm×1,475mm×1,525mm | 3,395mm×1,475mm×1,475mm |
室内長×室内幅×室内高 | 2,015mm×1,280mm×1,260mm | 1,985mm×1,255mm×1,215mm |
ホイールベース | 2,460mm | 2,460mm |
最小回転半径 | 4.4m | 4.2m |
一部グレードでマイルドハイブリッドを採用!燃費も向上
新型アルトでは、一部のグレードで「マイルドハイブリッド」システムを搭載しています。マイルドハイブリッドとは、モーター機能付きの発電機が減速時に発電することにより、アイドリングストップ後の再始動やエンジン駆動の支援などを行うシステムです。スズキでは「ワゴンR」などに採用されています。
このマイルドハイブリッドシステムの搭載より、燃費(WLTCモード)が旧型アルトより大きく向上しました。またマイルドハイブリッド非搭載モデルでも、旧型より燃費が向上しています。
【新型アルトの燃費(WLTCモード)】
ハイブリッド車 | FF | 27.7km/L |
ハイブリッド車 | フルタイム4WD | 25.7km/L |
ガソリン車 | FF | 25.2km/L |
ガソリン車 | フルタイム4WD | 23.5km/L |
「スズキ セーフティ サポート」を全グレードで標準装備
新型アルトで最大の注目点ともいえるのが、スズキの安全サポートシステム「スズキ セーフティ サポート」を全グレードに標準装備していることです。
新型アルトに装備されている、おもなスズキセーフティサポートの機能は、 以下のとおり。
- デュアルカメラブレーキサポート
- 誤発進抑制機能
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- ハイビームアシスト
- 後退時ブレーキサポート
- 後方誤発進抑制機能
- 標識認識機能
またエアバッグは全グレードにおいて、転席・助手席SRSエアバッグ、フロントシートSRSサイドエアバッグ、SRSカーテンエアバッグの6か所に装備しています。
さらに安全運転を助けるものとして、「フルカラーヘッドアップディスプレイ」を搭載しています。ドライバーの視線移動の負担を軽減するのに加え、標識認識機能も備えているのです。
加えてHYBRID Xグレードにオプションで装着できる「全方位モニター用カメラ」にも注目です。狭い道を5km/h以下で走行しているときに対向車とすれ違うと、車内のモニターに自車の左側とフロントの映像を自動表示。対向車や壁などと接触するのを防止できるので、安心です。
派生車種「ワークス」「バン」が未設定
アルトには人気の派生車種があります。ひとつがスポーツカー仕様の「アルト ワークス」、もうひとつが商用の「アルト バン」です。
アルト ワークスは車好きから、アルト バンは商用車として根強い支持がありました。しかし新型アルトでは、アルト ワークス・アルト バンとも設定されていません。
両車種のファンにとっては、とても残念です。今後追加で登場する可能性もありますが、2022年2月現在では登場の情報はありません。
まとめ
2021年12月のフルモデルチェンジで、新しくなったアルト。とくにうれしいポイントなのが、マイルドハイブリッドが設定されたグレードの追加と、「スズキ セーフティ サポート」の全車標準装備ではないでしょうか。
環境性能と安全性の向上によって魅力が増した新型アルトに注目です。