自宅にいながら、パソコンやスマートフォン越しに商談を進める「オンライン商談」。さまざまな分野で普及が進みつつあります。車の商談においても例外ではありませんが、実際に車を見ない、または試乗しないまま契約を進めることに不安を感じる方も少なくありません。
そこで、車のオンライン商談を検討している方に向けて、オンライン商談のメリットや注意点、そして商談時に必ず確認すべきポイントについて解説します。

車のオンライン商談とは?
車のオンライン商談とは、販売店スタッフやディーラーの担当者と対面ではなく、ビデオ通話やチャットなどを利用して商談を行う方法です。近年はZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなどのオンライン会議システムが普及しており、自宅や外出先からでも手軽に商談に参加できます。
オンライン商談の注意点
オンライン商談は便利な一方で、対面と異なり実際の車を確認できない点や、契約内容を十分に理解しないまま進めてしまうリスクがあります。トラブルを防ぎ、安心して商談を進めるためには、販売店の信頼性、契約内容の確認、車両状態のチェックなど、いくつかの重要なポイントを意識することが大切です。
以下で、詳しく見ていきましょう。
販売店の信頼性を確認する
オンライン商談では、販売店の雰囲気や担当者の対応を直接確認できません。そのため、販売店の実績や信頼性を事前にチェックすることが大切です。
まず、販売店の公式サイトや運営実績を確認しましょう。長年の営業実績があるか、実店舗の所在地や連絡先が明記されているかは信頼性の判断材料になります。また、口コミサイトやGoogleのクチコミなどで過去の利用者の評価を調べるのもいいでしょう。ただし良い口コミばかりを掲載している場合は、意図的に情報が操作されている可能性もあるため、複数の情報源を比較しましょう。
加えて、特定商取引法や個人情報保護法に則った運営をしているかも確認が必要です。契約時のルールやキャンセルポリシー、個人情報の管理方針が公式サイトに明記されているかをチェックし、不明点があれば事前に問い合わせましょう。
契約内容をしっかり確認する
オンライン商談では、電子契約を採用しているケースが少なくありません。その場合は契約書類がPDFや画像ファイルで共有されることが一般的ですが、対面のように書類を手渡されるわけではないため、見落としが発生しやすくなります。
オンライン商談後に、書類を郵送して契約するケースもあります。郵送するケースでも契約書類はオンライン商談時に販売スタッフと一緒に確認します。
確認の際は内容を細かい部分までチェックし、不明点があれば必ず販売店に質問しましょう。
特に以下の点は重要です。
- 契約金額:車両本体価格だけでなく、諸費用(登録費用、税金、リサイクル料金など)が正しく記載されているか
- 支払い条件:一括払いかローンか、支払いのタイミングや方法に不明点がないか
- キャンセルポリシー:契約後にキャンセルできるのか、手付金が返金されるのかなど
- 納車時期と方法:納車までの期間や、遠方の場合の配送費用などが明記されているか
- 納期遅延時の対応
契約は一度締結すると内容の変更が難しくなるため、納得できるまで確認を重ねることが大切です。あいまいにせず、双方の認識をしっかりと合わせておきましょう。
車両の状態確認
自動車は実物を見てこそ、細かな傷や内装の状態を把握できます。しかしオンライン商談では直接確認が難しいため、写真や動画、あるいはスタッフによる詳細な説明が重要です。
オンラインでの車両確認ポイント
・車体の傷・へこみの有無
写真ではわかりにくい小さな傷やへこみも、販売店側に問い合わせて確認してもらうと良いでしょう。リアルタイムのビデオ通話で、車体の気になる部分を撮影してもらう方法もあります。
・内装の汚れやシートの状態
使用年数や走行距離によって、内装の劣化状況は変わります。目立った汚れ、シートのほつれなどは写真や映像からでもある程度把握できますが、細かい部分までは確認できないケースもあります。画面に映らない部分のダメージやにおいなど、気になる点があれば質問して明確な回答を得ましょう。
・走行距離や整備履歴の確認
車検証や整備記録簿の内容を確認し、車両の状態を把握することも大切です。整備履歴がしっかりしている車は故障リスクが低い傾向にあります。
追加の写真や動画を依頼する
販売店によっては、通常の掲載写真だけでなく、要望があれば別角度の写真やエンジンルーム、下回りを含む動画を撮影して提供してくれる場合があります。自宅であっても、これらの情報を入念にチェックすることで、実車に近いイメージを得ることができるでしょう。手間がかかる、など販売店に遠慮して後悔するよりも、希望はすべて伝えてみることが大切です。
販売店としても、納得のうえで購入してもらったほうが、トラブルが少ないと考えるのが一般的です。
支払い方法
オンライン商談でも、支払い方法は基本的に銀行振込やクレジットカード、オートローンなど、対面商談と大きく変わりません。しかし、初回の頭金や手付金を振り込むタイミングやキャンセル時の返金条件などが販売店によって異なることがあります。
振込先の名義や口座情報が正しいかどうかも、よく確かめましょう。
ローンを利用する場合の注意点
車両をローンで購入する場合は、オンライン上で申込書や必要書類が共有されることが多いです。個人情報を記入するため、セキュリティ対策がしっかりしているプラットフォームかどうかを確認しましょう。
また、金利や月々の支払い額、支払い期間など、複数のプランを比較検討しながら進めることが大切です。ローン契約に関する説明は対面でも難しいと感じる方が多いですが、オンラインならではの資料共有機能を活用し、画面共有などでわかりやすく説明してもらえる場合もあります。遠慮せずに質問しながらプランを組むようにしましょう。
個人情報
オンライン商談では、購入者の氏名・住所・連絡先・生年月日などをやり取りするケースがあります。これらの個人情報が不適切に扱われると、思わぬトラブルや詐欺被害につながる可能性もあります。
個人情報の取り扱いについて確認する
販売店が「個人情報保護方針(プライバシーポリシー)」を公式サイトに掲載しているかを確認しましょう。個人情報保護法の改正にも対応しているかどうか、具体的な説明があるとより安心です。また、オンラインで書類のやり取りを行う際、どのようなシステムを利用しているのか、データが暗号化されているかなどもチェックすると良いでしょう。
セキュリティ対策がしっかりしているか確認する
オンライン会議システムや書類共有システムが、SSL/TLSなどの暗号化技術を利用しているかも重要なポイントです。最近は多くのシステムで標準採用されていますが、販売店が独自のシステムを使っている場合は注意が必要です。
さらに、万が一のデータ流出や不正アクセスに対してどのような対策や責任分担があるか確認できれば、より安全に取引を進められます。
オンライン環境
オンライン商談では、インターネット接続の品質が肝心です。ネットワークが不安定だと、音声や映像が途切れて担当者の説明が十分に伝わらなかったり、重要なやり取りを見逃したりする可能性があります。
Wi-Fiの電波強度に不安がある方は、有線LANに切り替える、あるいは電波状況の良い部屋を選ぶなどの工夫をしましょう。また、事前に販売店から送られてきた接続テスト用のURLなどがあれば、時間に余裕を持ってテストしておくとスムーズです。
推奨されるデバイス
パソコンやタブレット、スマートフォンなど、オンライン商談に利用できるデバイスは原則としては手持ちの使いやすいものでかまいません。ただし、資料や契約書類を画面共有で確認する場合、ある程度大きな画面のほうが見やすい傾向にあります。
スマートフォンでも問題なく商談できますが、細かい文字を読むときに見づらいと感じることもあるでしょう。また、カメラやマイクの品質も、商談の快適さに影響します。音質や映像が悪いとコミュニケーションが円滑に進まず、担当者の説明を誤解してしまう可能性もあるため、できるだけ性能の良いデバイスを使うことをおすすめします。

オンライン商談で確認すべきポイント
オンライン商談では、画面越しのやり取りになるため、対面よりも情報の見落としが発生しやすくなります。契約後に「思っていた内容と違った」と後悔しないために、商談の段階でしっかり確認すべきポイントを押さえておきましょう。
車両情報
中古車の場合は、走行距離や年式、整備履歴が正確かどうかを確認しましょう。新車の場合でも、グレードやカラーの設定違いで価格が変わることがあるため、その場で最新カタログや資料を共有してもらうと良いでしょう。
また、メーカー保証がどこまで適用されるかも忘れずに確認しておくと、購入後のトラブル防止に役立ちます。
追加できるオプション
純正のカーナビやETC、ドライブレコーダー、スタッドレスタイヤなど、必要に応じて追加オプションを検討するケースも多いでしょう。
装着費用や追加できるオプションの組み合わせ、納期がどれくらい延びるのか、合計金額が予算を超えていないかなど、見積もりとあわせて詳細をきちんと確認することが重要です。
見積もりの内容
見積もりでは車両本体価格のほか、税金や登録費用、諸経費が含まれます。中古車の場合は整備費用が別途かかることもあるため、最終的に支払う合計額をしっかり把握しましょう。
オンライン商談でも担当者が画面上で明細を示しながら解説してくれるケースが増えているので、疑問があればその場で質問するのがベストです。
契約条件
契約金や頭金、手付金などの扱いは販売店によって異なります。中途解約やキャンセルに関する規約なども含め、契約前に必ず確認してください。また、下取り車がある場合は、その査定価格がどのように反映されるのかも重要なポイントです。
保証内容・アフターフォロー
購入後の保証がどれくらい付いているか、また定期点検や車検時にどのようなサポートが受けられるのかを確認しましょう。特に中古車では、保証の適用範囲や期間が車両によって異なる場合があります。全国ネットワークのサービスがある販売店なら、遠方でもアフターサポートを受けやすいメリットがあります。
キャンセルについて
オンライン商談で契約した場合も、実際の店舗契約と同様のルールが適用されます。単なる「気が変わった」という理由でのキャンセルは、手付金が返金されないこともあります。
購入前によく検討するのはもちろん、キャンセルポリシーがどのように設定されているかを把握し、後悔のないように進めましょう。
納車時期・納車方法
新車を注文する場合は、メーカーの生産スケジュールや輸送状況によって納車時期が変わることがあります。中古車でも整備や部品交換などがある場合は、その分だけ納車が遅れる可能性が否定できません。
納車日は前の車を手放す時期の判断にも影響するため、納車日の目安を忘れずに確認しておきましょう。また、遠方の販売店と取引する場合は、陸送費用や納車方法に関する詳細も確認してください。
納車が遅れた場合の扱いについて
自然災害やメーカーの生産遅延、物流のトラブルなどで納車が遅れるケースは珍しくありません。その場合、追加費用が発生するのか、代車を用意してもらえるのか、あまりに納車が遅れる場合はキャンセルできるのかなど、事前に確認しておくと安心です。契約時の約款や販売店の規約に納車遅延時の対応について明記されている場合は、その内容をしっかり理解しておきましょう。
オンライン商談に関するQ&A
ここでは、オンライン商談についてよくある質問をまとめました。
オンライン商談は無料でできる?
多くの販売店では、オンライン商談の利用にあたって特別な料金は発生しません。通常の対面商談と同じように無料で相談ができます。ただし、使用するアプリや通信費については各自の負担となることが一般的です。
オンライン商談するには何が必要なの?
基本的にはカメラ・マイク付きのパソコンやスマートフォン、タブレット、そして安定したインターネット環境があれば問題ありません。販売店によっては、特定の会議アプリ(ZoomやGoogle Meetなど)のインストールを求められる場合があるので、事前に案内される手順に従って準備を進めましょう。
値引き交渉をすることは可能?
オンライン商談でも、対面と同様に値引き交渉が可能なケースがほとんどです。画面越しのやり取りだからといって、値引きを断られるわけではありません。ただし、あくまで担当者の裁量や販売店の方針、在庫状況などに左右されるため、安易に大幅な値引きを期待するのは禁物です。希望条件を整理して伝え、担当者と納得できるラインを探ることがポイントになります。
どの車・買い方でもオンライン商談に対応している?
新車・中古車問わず、オンライン商談を受け付けている販売店は増えていますが、すべての車種・買い方に対応しているとは限りません。例えばリースのみオンライン対応可能、としているケースもあるため、事前に確認しておくと安心でしょう。
途中から対面での商談に切り替えられる?
オンライン商談を始めたものの「やはり実物を見てから最終決定したい」「直接スタッフと話がしたい」ということもあるでしょう。多くの販売店がこういったケースに対応しており、途中から対面での商談に切り替えることは可能です。オンラインでおおまかな条件を詰めたうえで、最終的には店舗に足を運んで実車をチェックし、契約を行う流れも一般的です。

まとめ
最近ではオンライン商談システムを積極的に導入している販売店も増えており、各社がそれぞれ独自のサポート体制を整えています。
慣れていないと最初は不安かもしれませんが、注意点や確認しておくべき確認ポイントを押さえれば、オンライン商談は時間や移動の負担を大幅に軽減し、より快適なカーライフのスタートにつながるでしょう。
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