車を購入する際、これまでは店舗に足を運んで販売員と直接やり取りをするのが一般的でした。しかし近年、インターネットを活用した「オンライン商談」が広がりつつあります。スマートフォンやパソコンを使ってどこからでも気軽に商談ができるため、忙しい方や遠方の販売店を利用したい方にも便利な方法です。
ここでは、車のオンライン商談の流れや注意点などを詳しく解説します。

目次
車のオンライン商談とは?
オンライン商談とは、ZoomやGoogle Meetなどのウェビナーツールを用いて行う商談です。コロナ禍以降、対面での接触を避けるためにさまざまな企業が導入したことで、一気に普及しました。車業界だけでなく、不動産や保険などの商談においてもオンライン化が進んでいます。
自宅やオフィスなど移動を伴わない環境で商談ができるため、時間を有効活用できるというメリットも大きく、コロナ禍が一段落した後もオンライン商談を継続している企業は少なくありません。車を購入する際も、ディーラーに何度も足を運ぶ必要がなくなる点は、大きな魅力といえます。
車のオンライン商談でできること
オンライン商談では、主に以下のようなことが可能です。
車両説明
販売店のスタッフとオンラインで話せるため、詳しい車両の説明が受けられます。車種カタログだけではわからなかった点も、スタッフに質問することでクリアになるでしょう。
事前に気になる車種やグレードを伝えておけば、その場で外装や内装を映してくれるケースもあります。ハンドルやシート、メーター周りなど細かい部分の状態をリアルタイムで確認することができ、写真だけではわからない角度から実際の車がチェック可能です。
見積もり
車両本体価格だけでなく、諸費用やオプションなどもオンライン商談のなかで確認できます。販売員が画面共有し、双方が数字を確認しながら説明が進むため、料金体系がわかりやすいのが特徴です。
グレードによる仕様の違いがよくわからないときや、追加が推奨されるオプションなどについて知りたいときも質問して理解したうえで見積もりを依頼できるので、より具体的に検討しやすくなるでしょう。
商談(購入プランの決定)
オンラインでも、お客様のニーズや使用目的などを細かくヒアリングしたうえで、販売員から最適な購入プランの提案を受けられます。多くの場合、ローンやリース、保険プランの相談も可能です。疑問点があれば、リアルタイムで質問できるため、納得感のある買い方を検討できます。

オンライン商談の流れ
ここでは、車のオンライン商談における一般的な流れをご紹介します。
1. 予約
多くの販売店ではウェブサイトや電話での商談予約を受け付けています。まずは商談日時を決め、予約しましょう。予約の際には、希望する日時や商談で相談したい内容、検討している車種などを伝えておくと、当日の流れがスムーズです。
2. 商談当日
指定の時間になったら、販売店から案内されたウェビナーツールを使用し、オンライン商談に参加します。商談そのものは以下のような流れで進行します。
要望の確認
欲しい車が決まっていない場合は、車の用途や予算、家族構成(乗車人数)、好みのデザインなどを伝えます。ここで細かい希望を伝えることで、よりニーズに合った提案が受けられます。
「スライドドアは欲しい」「とにかく低燃費なSUVを探している」など、いくつか譲れない条件をピックアップしておくといいでしょう。
欲しい車の候補がある程度決まっているのならば、具体的なグレードやオプションの要望から始めます。
車両説明と見積もり
パワーユニットや駆動、馬力などのスペックや、安全機能や快適装備など、車両についての詳細な説明を受けます。
あらかじめ希望しておけば、実車を映像で確認できる場合もあります。その後、見積もりを画面上で共有しながら説明を受け、費用の内訳や支払い方法などについての相談に移ります。
契約条件の確認
購入(リースなどを含む)の意思が固まってきたら、オンラインで契約方法を案内されます。オンライン契約の場合は電子署名を使用したり、郵送で書類の取り交わしを行ったりなど店舗ごとに手続きフローが異なるので、しっかりと理解できるまで説明を聞きましょう。
3. アフターフォロー
商談が終わって契約まで進んだら、納車に向けて必要書類をメールや郵送でやり取りし、正式に契約完了となります。納車前や納車後のメンテナンス、保険の切り替えなどについても、販売店と連絡を取り合いながら進めていきます。オンライン商談を実施した店舗でも、対面でのサポートに切り替えることが可能な場合が多いので、不安な点があれば気軽に相談しましょう。
なお、現在ではすべて電子システム上で契約手続きをするケースもあります。
オンライン商談に必要なアイテム
オンライン商談をスムーズに行うためには、以下のアイテムや環境を整えておくことが望ましいです。
PCまたはスマートフォン、タブレット
ビデオ通話をするためには、カメラとマイクが搭載された機器が必要です。PCやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを用意しましょう。
自身が使いやすいものであればどれでも問題ありませんが、画面が大きい方が見積書などを確認しやすいかもしれません。また、オンライン商談にあたって指定されたウェビナーツールがそのデバイスで正常に作動するかどうかを確認しておくと安心です。
安定したインターネット環境
オンライン商談では、映像や音声のやり取りが頻繁に発生します。回線が不安定だと画面が止まったり音声が途切れたりして、商談に集中できません。なるべく通信品質の良い環境で参加することをおすすめします。
ビデオ会議アプリやツール
ZoomやMicrosoft Teams、Google Meetなど、販売店が指定するウェビナーツールを事前にインストールしておくとスムーズです。アカウントの登録が必要な場合もあるため、余裕をもって準備しておきましょう。
静かな場所
自宅など、周囲が騒がしくない場所を選ぶことで、相手の声や画面に集中できます。また、プライバシーを確保しやすい場所であれば、ローンの条件などデリケートな話題も安心して進められるでしょう。

車のオンライン商談後の確認事項
オンライン商談を終えた後は、契約に向けて以下の点を必ず確認しておきましょう。
契約内容
購入条件や支払い総額、納車方法などは、口頭の説明だけでなく、契約書面(電子契約の場合は電子データ)でもしっかりと確認しましょう。オンライン契約が可能でも、場合によっては最終的に紙の書類への押印や署名が求められるケースもあります。
現状では、契約内容のすれ違いを防ぐために書面での郵送や店舗への来店で最終確認を行うところが多い傾向があります。
必要書類
車の購入には印鑑登録証明書や車庫証明など、さまざまな書類や実印が必要です。よく確認して、漏れのないようにしておきましょう。なお、車庫証明は販売店に代理取得を依頼することも可能です。
最終的な納車日・納車方法
オンライン商談で契約を結んだ後は、納車スケジュールを確認しましょう。車両の整備状況や保険の手続き、オプションの取り付けなどによって納車日が決まります。また、店舗まで取りに行くのか、自宅などへの陸送を依頼するのかも確認が必要です。
遠方から購入した場合は納車費用が追加で発生することがあるため、見積もり時に納車費用が別途かかるのかもあらかじめ聞いておくと安心です。
キャンセル・アフターフォローについて
契約後のキャンセルポリシーやアフターフォローの対応は、店舗によって異なります。特に中古車販売では、車両の状態や在庫状況に合わせたスケジュールで動いているため、キャンセル不可やキャンセル料が発生するケースもあります。事前にしっかりと説明を受け、納得した上で契約を進めることが大切です。また、納車後の保証やメンテナンスの手配などについても確認しておくと、安心してカーライフをスタートできます。
特に現在は部品供給が不安定なこともあり、納期が遅延気味の状態が続いています。
オンライン商談のメリット
オンライン商談のメリットとして、時間や場所にとらわれずに商談ができる点が挙げられます。
自宅や職場などから商談が可能なため、移動の手間が省け、忙しい方や遠方の販売店を利用したい方にとって非常に便利です。また、一日に複数の販売店と商談を行うこともでき、実際にディーラーや販売店を巡るよりも効率よく比較検討できます。
さらに、外出が難しい方や、小さな子供がいる方でも気軽に利用できる点も魅力といえるでしょう。周囲の目を気にせず、落ち着いた環境でじっくり相談できるため、リラックスして商談を進められます。画面共有を活用することで、見積もりや契約内容をわかりやすく説明してもらえるのもメリットです。
オンライン商談のデメリット・注意点
オンライン商談には便利な面が多い一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。まず、画面越しでは車の質感や細かな状態を確認しにくく、実際の色合いや傷の有無が分かりづらいことが挙げられます。特に中古車の場合は注意が必要でしょう。
また、通信環境によっては映像や音声が途切れることがあり、スムーズに進められないケースもあります。
さらに、すべての販売店がオンライン商談に対応しているわけではなく、契約方法も店舗によって異なります。オンライン商談・契約化可能なのはリースのみで、購入は対面が必要なケースも少なくありません。
こうした注意点があることも、理解しておきましょう。
より詳しいオンライン商談のデメリットは、こちらの記事をご覧ください。

まとめ
オンライン商談は、コロナ禍をきっかけに急速に普及した新しい商談スタイルです。自宅にいながら複数の販売店を比較検討できる手軽さや、移動時間の短縮など、多くのメリットがあるため、対面の商談に苦手意識がある方や販売店に行く時間が取りにくい方は、オンラインでの商談も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
