二酸化炭素を排出せず、環境に優しい車として注目されている電気自動車(EV)。本格的なEV「リーフ」を開発するなど、国内メーカーでは他社にさきがけてEVに力を入れてきたのが日産自動車です。
そんな日産が満を持して発売したEVが「アリア(ARIYA )」。しかしアリアは日産のほかのEVや他社のEVとどこが違うのでしょうか?また、どんな特徴があるのかも気になるところ。
そこでこの記事では、日産・アリアの特徴やおすすめのポイントをまとめました。アリアについて知りたいときや、購入を検討するときに参考にしてください。
目次
1. アリアとはどんな車?
アリアは日産が製造・販売している電気自動車です。2022年1月より販売を開始されました。アリアは「クロスオーバーEV」という、新しいジャンルのEVです。アリアという車名は、古代ヨーロッパ語で「威厳」「高貴」などを意味する単語「ARIYA(アリア)」に由来しています。
アリアは「Cセグメント」と呼ばれる、ミドルクラスのボディーサイズで、外観デザインもスタイリッシュで近未来的な印象。まさに先進性を感じさせる自動車です。日産ではアリアをEVの旗艦モデルと位置付け、EV普及のための重要な車種としています。
1-1. アリアのグレード・価格
アリアは、以下のようなグレード展開になっています。
グレード | バッテリー | 駆動方式 | 乗車定員 | 価格(税込) |
B6 | 66kWh | 2WD | 5人 | 5,390,000円 |
B6 limited | 66kWh | 2WD | 5人 | 6,600,000円 |
B6 e-4ORCE limited | 66kWh | 4WD | 5人 | 7,200,600円 |
B9 limited | 91kWh | 2WD | 5人 | 7,400,800円 |
B9 e-4ORCE limited | 91kWh | 4WD | 5人 | 7,900,200円 |
またアリアの「B6」「B6 limited」グレードのボディーサイズ等は、以下のとおりです。
外寸(mm) | 全長 | 4,595 |
全幅 | 1,850 | |
全高 | 1,665 | |
車内寸(mm) | 車内長 | 2,075 |
車内幅 | 1,540 | |
車内高 | B6:1,210 B6 limited:1,170 | |
最低地上高(mm) | 180 | |
ホイールベース(mm) | 2,775 | |
最小回転半径(m) | 5.4 |
なおパノラミックガラスルーフ装備車は、全高・室内高が変わります。
2. アリアの魅力やおすすめポイント
アリアにはたくさんの魅力やおすすめポイントがあります。その中から、とくに注目すべき点をピックアップすると、 以下のとおりです。
- 「クロスオーバーEV」という新しい概念
- 静粛でありながら滑らかな加速の運転性能
- 快適に過ごせる上質な室内空間
- 家庭の普通充電器で充電可能
- 家庭用蓄電池としても活躍
- 国の補助金制度が活用できる!
ひとつずつ詳しく解説します。
2-1. 「クロスオーバーEV」という新しい概念
アリアは「クロスオーバーEV」という新しい概念で開発された車です。クロスオーバーEVとは、電気自動車版のクロスオーバーSUVのこと。クロスオーバーSUVはオフロードなどの使用を目的としたSUV車と、街乗りなどでの使用を目的とした乗用車の要素を併せ持った車種です。つまりSUVのようなボディーやデザインと、乗用車のような乗り心地や走行性能を持っています。
そのようなクロスオーバーSUVの特徴に、電気自動車ならではの上質な走り心地や燃費性能の良さ、環境への負荷の少なさなどが加わっているのがアリアの特徴です。
2-2. 静粛でありながら滑らかな加速の運転性能
アリアでは、B6・B6 limitedのグレードでは66kWh、B9 limitedのグレードでは91kWhのバッテリーを搭載しています。加速は非常に滑らかで、軽快な走り心地です。またEVならではの静粛性の高さも注目で、走行中はとても上質なドライブを楽しめます。
また4WDの車種では「e-4ORCE」という、日産独自の4WDシステムを搭載。e-4ORCEとは、日産が誇るスポーツカー「GT-R」で培われた「アテーサE-TS(電子制御トルクスプリット4WD)」の技術を応用した新開発のシステムです。e-4ORCEにより、高い駆動力制御とシャシー制御を最大化。あらゆる路面で車の動きを安定させ、コントロールをしやすくしています。
2-3. 快適に過ごせる上質な室内空間
アリアの運転席まわりですが、運転席正面とインパネ中央に大きなワイドディスプレイが2つ搭載されています。ディスプレイには速度などの運転に関する情報が表示されるのです。また。エアコンやオーディオなどのボタンも画面表示され、タッチパネルで操作できます。そのためアリアのインパネにはボタン類の配置が少なく、スッキリとしたデザインです。
さらにアリアは、国内メーカーで初めてAmazon(アマゾン)のスマートスピーカー「アレクサ(Alexa)」にも対応しました。「ハロー、日産」と呼びかけてから声で指示を出すだけで、さまざまな操作を行えるのです。Amazonのクラウド音楽サービス「Amazon プライム ミュージック」にも対応しており、車内でたくさんの音楽を楽しめるのも大きな魅力といえます。ただしプライム ミュージックは、別途Amazonのサービスに加入し、使用料を支払う必要があります。
2-4. 家庭の普通充電器で充電可能
アリアは家庭の普通充電器で充電できます。充電ポートリッドを開いて充電コネクターを挿すだけなので、とても簡単です。なお充電は以下の3タイプがあります。
●即充電:コネクターを挿して、すぐに充電を開始する
●タイマー充電:充電の開始・終了時間を指定して充電する
●リモート充電:スマートフォンから充電の開始を操作できる
充電までかかる時間は、 以下のとおりです。
急速充電器50kW (125A) | 急速充電器90kW (200A) | 3kW普通充電器 | 6kW普通充電器 |
約65分 | 約45分 | 約25.5時間 | 約12時間 |
ちなみに急速充電は、バッテリー温度が約25度、バッテリー残量警告灯が点灯した時点から充電量80%までのおよその時間を指します。普通充電は、バッテリー温度が約25度でバッテリー残量警告灯が点灯した時点から満充電までのおよその時間です。
またアリアの一度の満充電で後続可能な距離は、 以下のとおり。
グレード | 航続可能距離(WTLCモード) |
B6・B6 limited(2WDモデル) | 450km |
B6・B6 limited(4WDモデル) | 430km |
B9・B9 limited(2WDモデル) | 610km |
B9・B9 limited(4WDモデル) | 580km |
アリアは一度の満充電で、非常に長い航続可能距離があります。電気自動車において航続可能距離はとても重要なポイントともいえ、長い航続可能距離はアリアの強みのひとつです。
2-5. 家庭用蓄電池としても活躍
アリアには大容量のバッテリーが搭載されているため、走行以外にも家庭への給電や余った電力を蓄えるといったこともできます。つまり、家庭用蓄電池としても活用できるのです。
最大で一般家庭数日分の電力供給ができますので、災害時など停電時の緊急電源としてりようできます。さらに電気代の安い時間に充電し、朝や夕方など電力を多く使う時間帯にアリアに蓄電した電気を使用して電気代を節約する使い方も可能です。
2-6. 補助金制度が活用できる!
アリアでは購入時に補助金制度を活用できます。たとえば国の補助金のほか、各自治体が定めた助成金などです。またエコカー減税によって、購入価格を押さえることもできます。なお自治体の補助金は、自治体によって内容が異なりますので、事前に確認してください。
たとえば2022年に東京都在住で基本グレードのB6を購入する場合、国の補助金は85万円、エコカー減税は4.85万円、東京都の補助金が60万円となります。全部で約390万円でアリアのB6グレードを購入可能です。
3. まとめ
スタイリッシュな雰囲気で、AmazonのAlexa搭載など近未来的で先進性を感じさせるアリア。上質な走り心地も魅力的です。家庭用の蓄電池として活用できるのも注目ではないでしょうか。
国や自治体から補助金がでるので、補助金を上手に活用すれば安くアリアを購入できます。車の購入を考えている際は、ぜひアリアの購入を検討してみてください。