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新型カローラクロスの魅力と特徴

実用に徹したハイテクマシン 初代カローラから続く実用性と基本性能の充実

カローラシリーズ4ボディタイプにSUV(カローラクロス)が加わり5タイプが揃いました。これぞワイドセレクションと言えるのですが、これら5タイプのボディにそれぞれの仕様が加わり、その組み合わせはオプションまで考えると無限に広がっています。これでもコストアップにならない造り方が「トヨタ生産方式」と言われるもので、現状は世界最新鋭のTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と称する生産方式です。我々日本人も、世界の人々もこの恩恵に与っているのですが、世界中に広がったこの量産方式を意識できている人はごく少ないようです。

初代カローラから続く、実用的で使いやすい性能?

初代カローラのオーナーであった時、日本のモータリゼイションが始まりましたが、当時そのブームを作った車種がトヨタ・カローラと日産・サニーでした。

でも、初代カローラを手にしてどんなことを思っていたかと言えば、コストダウンのため床から生えたMTのシフトレバーが長大でクイックシフトが出来ないのが理想からは程遠くて嘆いていたのです。日産・サニーや日産・ブルーバードSSS、日産・スカイライン2000GTのシフトフィーリングの良さをうらやんでいました。

当時はMT仕様が9割を超えていた時代で、シフトチェンジ技術は大切でした。そこで、ドライビングテクニックの「ヒール&トゥ」を使って、ダブルクラッチでシフトダウンして素早い動作の練習をしました。しかし、当時の一般販売車のシンクロナイザーでは、素早いシフトをするとギア鳴りを起こして故障の原因でした。

当時は、こんなことをしながらカローラの持つポテンシャルの深さに触れていきました。一見すると実用性とは無縁のことに思えるでしょうが、最近の新型カローラに試乗した時、ドライバーに気付かせることなく安全性を確保し、実用性能を高く実現しているのが現代のクルマであることを、あの初代カローラの経験があったから思い知ることが出来たのです。

それが、新型カローラの荷室の広さであり、乗り心地であり、運転支援システムなどであるのです。

このお値段で、ボディタイプだけで5タイプをそろえた

これだけのバリエーションを用意するとなると、メーカー側はその管理と、生産設備や営業の方法まで、コストアップを覚悟せざるを得ません。しかし、トヨタはこの程度のボディの違いは「同一車種」として生産出来るようにしています。しかも注文から納品までの生産管理を行い、オプション部品、ボディカラーなどの組み合わせを間違いの極めて少ない方法で生産に望んでいます。

それが「混流生産」「多種少量生産」「順序生産」などと言われる生産方式ですが、世界の量産工場では「トヨタ生産方式」を取り入れていない自動車工場はありえないほど普及しています。ユーザーは、このメーカーの努力のおかげで、この程度の値段でカローラクラスの自動車を手に入れることが出来るのです。

日本人の発明としては最大の功績でありましょうが、最も知られていないことでもあります。現在、ネットの普及と共に、クルマの注文を全世界からネットで、それも100以上のオプション部品を組み合わせて、これまでと同じように納車されるシステムをBMWはテストしています。

これは、EV化以上に世界の産業界に衝撃を与える「第四次産業革命」と呼ばれているものです。反面、全国の販売店は、「手続き」と「整備拠点」になってしまう危機でもあります。セールスマンが必要なくなるのです。ディーラーの地位が危ぶまれる事態です。

新型カローラクロスの静粛性は高級車並み?

スタイリングなどはネット画像でもかなり確かめることが出来ますし、好みの問題もあるので評価はしませんが、初代カローラとは違ってかなり上級車のようになってきました。その第一は、静粛性です。社内の静粛性に関しては、「防音材をどれだけ丁寧に敷き詰めるか?」であると言われていたのですが、カローラクラスでも、部品精度の向上、組み立て精度の向上など、製造そのもので解決できている部分が多くなってきているようです。

また、セダン、ステーションワゴンなどよりも、新型カローラクロスのようなSUVスタイルにすると、室内空間の余裕が出来たように感じます。荷室は容積率で表現されますが、実用性はむしろ荷室床面積に左右されます。積み上げる置き方よりも、床に平置きできる利便性が有効でしょう。

最近のSUVで特に良くなっているのが、後席の快適性です。新型カローラクロスでも、後席にはリクライニング機構も付いているため、家族でも使えて実用性が高いです。ハンズフリーバックドア、つまりジェスチャーで後部ドアを開け閉めできるようにもなっています。静粛性と合わせて、このクラスではさらにレベルアップした装備で、高級車並みになってきました。

新型カローラの運転感覚はプレミアムカー?

新型カローラの試乗をした時、やはりその静かさに驚きました。HVの場合は当然に走り出しがEVで静かですが、その低速トルクの強さに慣れてしまうと、初代カローラの半クラッチを駆使して車庫入れした時の苦労が夢のように感じられてしまいます。もう、カローラはプレミアムカーに変貌したのかもしれませんね。

また、新型カローラのハンドリングは正確です。重さがあるので、一瞬、昔のパワーアシストのないハンドリングを思いますが、少しだけ力を入れると自由になるのです。ハンドリングは低速では軽く、そして速度が上がるほど重く感じられるのが理想です。新型カローラのハンドリングの味付けは絶妙で、力強く感じられる程度に造られています。

現在のクルマの操作感覚は全て人工的に味付けされていますが、ゲーム機のように隔絶した感じはありません。ドライバーには適度にフィードバックされる道路からの感触がちゃんとあります。けれど、車庫入れの運転感覚は優雅なものに変わってきています。間もなく自動化がもっと進んで、車庫入れにドライバーは関与しなくなるのでしょう。

新型カローラクロスの注目のメカニズム

今回の新型カローラクロスとなって注目できるメカニズムは、リアサスペンションがトーションビームになったことです。TNGAで刷新したプラットフォームでは、ダブルウィッシュボーン・サスペンションが標準となったはずでした。ダブルウィッシュボーンは、走行中でもジオメトリー(タイヤの角度など)の変化が少なく、走破性が上がるので、高級車のサスペンションとされてきました。

それをあえてカローラが、カローラクロス(SUV)だけにトーションビームにしてきた理由はなぜなのか?コストの問題が基礎にあるのでしょう。トーションビームは部品点数が少なく、組み立ても楽でコスト節減につながります。また、SUVボディは箱型で背が高く、どうしてもトップの方が揺られるように左右に振れてしまいます。

それを避けるには、ダブルウィッシュボーン式ならトルクロッドで、不快な余分なサスペンションの跳ね上がりを防がねばなりません。するとコスト高となるのです。それをトーションビーム式で行なえば、部品点数が少なくなりコスト上昇を防げます。

またトーションビーム式であると、SUVでは直進性が良くなるとも言われています。トヨタがカローラクロスのサスペンションをトーションビームにしたのは、SUVならではの物理的条件から生まれたことなのでしょう。製造コストを抑え、ユーザー側にとっても運転時の揺れを軽減してくれるので、採用しない手はありません。これも、同一車種のように組み立てられる範囲が広いことで、成し遂げられるのです。つまり「トヨタ生産システム」が基礎にあるからです。

脱炭素だから、出来る限りHV車を選ぼう

新型カローラクロスのエンジンユニットは、他のカローラのタイプと同様の組み合わせであるようです。ガソリン車の燃費は劣るものの、車重が軽量であることも手伝って乗り味は大変良好のようです。運転に慣れた人であるとむしろエンジン車を選んでしまうのかもしれませんが、そこは国民が脱炭素に協力できる大きな機械ですので、HV車を選びたいものです。

HVについては批判もあるようですが、出来る限り皆さんに選んでもらえると良い仕様です。これから脱炭素を目指して自動車ユーザーにできることは、多少の価格差であれば、出来るだけHVを選ぶことでしょう。ガソリン車の燃費はWLTCモードで14.4㎞/L、HV車は26.2㎞/L。比較すると、HV車は燃費にやはり大差が出ています。

渡辺
渡辺